2024/06/28

オフライン広告の費用対効果の目安とは?計算方法と基準を分かりやすく解説。

「広告」と聞くと、どのようなものを思い浮かべますか?

テレビCM、ラジオ、折込チラシ、新聞、雑誌、看板…などのオフライン広告でしょうか?

しかし今の時代は、オンライン広告が主流になっているかもしれません。

オンライン広告と一言でいっても、「google広告」、「ディスプレイ広告」、InstagramやFacebookなどを利用した「SNS広告」、「リスティング広告」「アフィリエイト広告」など種類は豊富で、それぞれの特徴とメリット・デメリットをよく理解したうえで、訴求に合った施策を行い、広告運用しなければなりません。

それは、オフライン広告でも一緒です。

この記事では、オンライン広告がメインになっている今だからこそ、新聞や雑誌、フリーペーパーなど実際に読者の手に届く「オフライン広告」とその「費用対効果」について、初めての方にも分かりやすく解説します。

費用対効果とは?

そもそも、費用対効果とは何なのか?

費用対効果とは、「投入した費用(コスト)に対して得られる結果(リターン)」のことです。

費用対効果は、予算を使う場面で必ず問われる指標となるので、正しく理解して管理することがビジネスを成功へと導く鍵になります。

広告出稿もまた、予算をかけて行うマーケティングビジネスです。

1つの広告を打つことで、どのくらいの収益が得られるのかを事前に考える必要があります。

前述した通り、広告の種類は多種多様。

当記事では、健康食品や化粧品などの通販事業における、オフライン(新聞・雑誌)広告での費用対効果の算出方法・目安に絞ってお話しします。

費用対効果を示す指標

費用対効果を示す指標として、CPO(Cost Per Order)、CPA(Cost Per Acquisition)、CPR(Cost Per Response)、ROAS(Return On Advertising Spend)、CVR(Conversion Rate)などたくさんのものがあります。

CPOとは、「契約・購入のような、売り上げにつながる成果の獲得単価」のことです。

CPAとは、「問合せや資料請求、イベント等の申込といった、まだ売上につながっていない成果の獲得単価」のことです。

ROASとは「広告費用1円あたりの収益額」を表す指標のことで、【ROAS=売上÷広告費用×100%】の計算式で求められ、率が高ければ高いほど、広告効果が良いとされています。

CVR(Conversion Rate)の、コンバージョンは日本語では「変換、転換」という意味です。サイト訪問客のうち、何人を目的の行動(購入、会員登録、広告クリック、資料請求、問合せなど)に誘導できたかを示す率のことで、一般的に「コンバージョン率」と言われています。

ROASとCVAは、主にネット広告業界において使用されます。

当記事では、通販ビジネスにおけるオフライン(新聞・雑誌)広告について説明しますので、CPO(Cost Per Order)について解説します。

なぜCPOなのか?というと、通信販売ビジネスで新聞や雑誌に広告を出稿する第一の目標は「新規顧客獲得」だからです。

大手メーカーや既にブランド認知力が高い場合は、ブランディング力向上や企業イメージアップのために広告を打つこともありますが、当記事ではあくまで「新規顧客を獲得し、注文数をアップさせる」ことが目標の広告マーケティングが前提です。

CPOとは、実際に新規顧客1人に商品を注文してもらうためにかかった費用のことです。日本語では「顧客獲得単価」と呼ばれることも多く、広告運用においてよく使われる指標ですので、ぜひ覚えておいてください。

CPOの計算方法

コストと電卓

次に、CPO(顧客獲得単価)の計算方法について説明します。

当記事では通販ビジネスにおけるオフライン(新聞・雑誌)広告の費用対効果について解説しますので、以下のようになります。

・投入した費用=広告費 ※今回は単純に広告掲載料のみとします

・得られる結果=注文数

【計算式】

広告費÷注文数=CPO

例えば、定価5,000円の美容液を1つ売るためにかかったCPOについて考えてみましょう。

30万円の広告費で35個の注文があったとします。

このときのCPOは、

30万円(広告費)÷35個(注文数)=8,571円(CPO) ※小数点以下切り捨て

CPOが8,571円。つまり、定価5,000円の美容液を販売するために8,571円の広告費が発生したということになります。

8,571円-5,000円の計算で、3,571円の赤字が発生していますが、CPOの指標がよく利用される通販ビジネスでは、リピート顧客を増やすことで初期の赤字を解消します。

赤字が出ていて大丈夫なの?と心配になるかもしれませんが、のちほど通販ビジネスにおけるオフライン(新聞・雑誌)広告のCPOの目安について紹介します。

費用対効果を高める方法

売上・利益・経営・ビジネスのイラスト

一般的にCPOは低ければ低いほど、費用対効果が高いといわれます。

例えば、先程の計算では

【ケース1】30万円(広告費)÷35個(注文個数)=8,571円(CPO)だったのですが、

同じ広告費で注文個数が増えるとどうでしょうか?

【ケース2】30万円(広告費)÷50個(注文個数)=6,000円(CPO)

もしくは、広告費は安いが、注文個数も減ってしまったとすると…

【ケース3】20万円(広告費)÷8個(注文個数)=25,000円(CPO)

となります。

CPOは、1つの商品を売るためにかかった費用ですので、金額が低ければ低いほど費用対効果が高く、効率が良いというわけです。

もう一つの指標=LTV

CPOの目安を説明する前に、知っておいて欲しいことがあります。

それは、通販ビジネスの広告マーケティングにおいて、費用対効果を示すうえでもう一つ大事な指標があることです。

それは、LTV(顧客生涯価値)です。

LTVとは、一人の顧客が自社と取引を始めてから、関係が終了するまでにトータルで得られる利益のことです。

LTVの計算式はいくつかありますが、当記事では初心者の方でも分かりやすいもので説明します。

・LTV=1年間の総売上額÷1年間の顧客客数

※顧客1人から得られる1年間の平均売上額

先程の5,000円の商品を販売する会社をA社として例えてみましょう。

<会社Aのデータ>

・1年間の総顧客数=7,000人

・1年間の総売上額=210,000,000円

・1年間の広告費を除く年間総コスト=145,000,000円

LTVを計算してみましょう。

210,000,000円(1年間の総売上額)÷7,000人(1年間の総顧客数)=30,000円となり、顧客一人あたりから得られる利益(平均)=LTV(顧客生涯価値)が30,000円ということになります。

CPOの目安

それでは、上記のLTVの算出式をもとに、CPOの目安を計算していきましょう。

商品やサービスによって多少差は出てきますが、通販ビジネスの広告マーケティング(目標=新規顧客獲得)という点でお話しします。

【目安CPOの計算式】

目安CPO(円)=LTV-(広告費除く年間総コスト÷総顧客数)

先程のA社の例に当てはめてみます。

LTV:30,000円-(広告費を除く年間総コスト:145,000,000円÷総顧客数:7,000人)=9,286円

このA社の場合、1つの広告を出稿した際に、CPOを9,286円以下にできれば、費用対効果を最適化できており、効率の良い広告運用が実施されているといえるわけです。

前述した通り、「広告出稿自体で赤字が発生しても、通販ビジネスではリピート顧客を増やすことで、当初の赤字を回収」しますので、長期化して見通すと成果を上げているといえるわけです。

広告戦略と費用対効果

さて、ここで最終段階です。いままで説明した2つの指標CPO(顧客獲得単価)とLTV(顧客生涯価値)をもとに、広告戦略においてどのように費用対効果を高めることができるかを紹介します。

マーケティング

一般的に通販ビジネスでは「LTV÷CPO」の数字でみることが多いです。

・LTV÷CPOが3未満:CPOが大きすぎる

・LTV÷CPOが3~4:妥当な水準

・LTV÷CPOが4を超えている:獲得の機会を逃している

それでは、さきほどの例でCPOの計算方法の3つのケースに当てはめてみましょう。

【ケース1:広告費=30万円、注文個数=35個】

300,000円÷35個=CPO8,571円

LTVは30,000円となりますので、30,000÷8,571=3.5となり、3~4の間なので、妥当な水準といえます。

現在の広告マーケティング施策は間違ってはいないので継続しつつ、CPOをもう少し下げる(注文個数を増やす)ために、クリエイティブのブラッシュアップなどを行うと更に良いでしょう。

【ケース2:広告費=30万円、注文個数=50個】

300,000÷50=CPO6,000円

LTV(30,000円)÷CPO(6,000円)=5となります。これは、4を超えてしまっているので、獲得の機会を逃している可能性がある。つまり、広告費をもっと投入し露出を拡大しても、新規顧客獲得が見込めるということになります。たとえば、似たような媒体にも同様の広告を出稿してみたり、同じ媒体の出稿頻度を上げる(3カ月1回→2ヵ月1回)などを検討することをおすすめします。

【ケース3:広告費=20万円、注文個数=8個】

200,000÷8=CPO25,000円

LTV(30,000円)÷CPO(25,000円)=1.2となってしまいました。これは、3未満になりますので、CPOが高すぎる。ターゲットと掲載媒体がマッチしているかなど媒体自体の見直し、広告クリエイティブの改善、訴求を考え直すなどの対策を講じる必要があります。

費用対効果の重要性

今回は、リピート購入を見込める通販ビジネスのオフライン(新聞・雑誌)広告に焦点をあてて説明しました。

最後におさらいとして、重要なポイントを再度お話しします。

・CPOとは、顧客獲得単価ともいわれ、新規の顧客を獲得するためにかかる費用のこと。

・CPOは、投入した費用(広告費)÷注文個数によって算出する。

・CPOは、低ければ低いほど、費用対効果が高くなる。

・LTVは、1人の顧客から取引開始から終了までに得られる利益のこと。

・LTV÷CPO=3~4の値が妥当なCPOの目安となる。

このように、CPOやLTVといった費用対効果を示す指標は、広告が売上に貢献しているかを把握する上でとても重要です。

広告を打ち出し、新規顧客獲得のためには、安定したCPOを継続し、LTVを高めていく必要があります。

当記事では、通販ビジネス×オフライン(新聞・雑誌)広告の費用対効果に絞ってお話しいたしました。

しかし、広告マーケティングの目的として「新規顧客獲得」以外にも、「認知拡大」「企業イメージの向上」「競合他社との差別化」などさまざまです。

また、現在主流となっているオンライン広告は多種多様で、豊富な知識が必要となります。

広告マーケティングに共通していえることは、「過去のデータ分析と問題点の洗い出し・改善」「市場のニーズ調査」「適切なターゲティングと訴求設定」「継続的な情報収集」が重要ということです。

ぜひ、ノウハウを高め、さまざまな広告手段を活用し、効率的な広告マーケティングを行ってください。

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